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農薬処方の最大の課題6選

肥料、成長促進剤、作物保護製品に対する性能と分散安定性の向上への継続的な需要により、農薬メーカーはより効果的な配合開発に常時取り組んでいます。さらに、農業分野での持続可能性と自動化への移行に伴い、農薬企業は、粘性のあるドローン対応農薬濃縮液、生分解性カプセル、植物抽出物をベースにした持続可能な製剤など、将来に対応した新しいソリューションの開発を求められています。

この記事では、現在農薬業界が直面している6つの重要な課題と、TURBISCANをはじめとする MICROTRAC の測定装置が、農薬開発者による効果的なソリューションの迅速な開発にどのように貢献しているかを紹介します。

粒子径測定 - 製品総合カタログ


Microtracでは、レーザ回折、DLS、画像解析など多様な粒子径測定技術を用いた製品を提供しています。

1. 複数の有効成分を含む農薬処方

複数の有効成分を含む農薬処方は、農家にとって大きな効率向上をもたらす可能性があります。1つの製品に複数の有効成分が含まれていることで、必要な散布回数が減り、時間とコストの両方を節約できます。

しかし、複数の有効成分を含む製品の配合は、単に異なる作物保護剤を混合するよりもはるかに複雑です。すべての有効成分にはそれぞれ異なるpHや水分の要件があり、ある成分同士が望ましくない形で相互作用することもあります。複数の有効成分を含む製品で化学的分解を防ぐには、カプセル化、油性懸濁剤(OD)、水分散性顆粒(WG)などの新しい技術が必要です1,2

これらの技術を用いて安定した農薬処方を開発することは、決して簡単な作業ではありません。しかし、TURBISCAN を使用することで、分散性や分散安定性といったパラメータに関する詳細な洞察が得られ、このプロセスを大幅に容易にすることができます。TURBISCAN は、静的多重光散乱(SMLS)技術を用いて、希釈することなく沈降や平均粒子径を迅速かつ正確に評価できるため、処方開発者は新しい農薬製品の開発を加速させることが可能になります。
 

2. 油性懸濁剤(Oil Dispersions)への移行

油性懸濁剤(OD)は、水分に敏感な成分の分散安定性を高めるだけでなく、他の化合物の効果を高める補助剤としても機能します。こうした利点を実現するために、多くの農薬メーカーがOD処方への移行を進めています。しかし、この移行には必然的に開発の時間が必要となります。

TURBISCAN のテクノロジーを活用することで、媒体や分散剤の選定、乳化プロセス条件の最適化といった開発プロセスの重要な部分を迅速化することができます。

TURBISCAN DNS を導入することで、原液濃度のままで外的なストレスを加えずに、分散性や溶解性といったパラメータの測定を可能になります。攪拌機能(T-MIX)と循環機能(T-LOOP)を備えた TURBISCAN DNS により、処方開発者は攪拌速度やその他のプロセス条件の影響を、ラボスケールまたは実際の生産ライン(in-line)で評価することができます。

3. カプセル懸濁剤(CS)および種子処理用フロアブル剤(FS)処方におけるマイクロプラスチックの代替

カプセル化は、分散安定性の向上、相互に相容れない化合物の組み合わせ、そして環境条件に応じた有効成分の放出制御を可能にする手法として、長年にわたり活用されてきました3.

利点がある一方で、多くのカプセル化技術は非生分解性の合成ポリマーに依存しており、それらは環境中にマイクロプラスチックとして残留します。現在、農薬メーカーは生分解性の代替素材に注目しています。TURBISCAN を使用すれば、これらの新しいポリマーと従来の環境負荷の高い素材を、TURBISCAN Stability Index(TSI)を用いて分散安定性や保存期間(Shelf-Life)の予測という観点から正確に比較することが容易になります。

4. 微生物製剤の分散安定性向上

害虫の防除や植物の成長促進に、生きた微生物を利用する微生物製剤は、比較的新しい開発分野であり、従来の農薬を補完する持続可能なアプローチとして期待されています4。 しかし、微生物製剤の広範な商業化には多くの課題があり、特にさまざまな環境条件下で1年以上分散安定性を保てる配合の開発が求められています。

微生物製剤の開発を成功させるためには、農薬メーカーは望ましい性能が得られるまで処方を継続的に調整する必要があります。TURBISCAN を使用することで、これらの微調整が分散安定性に与える影響を評価するために必要な時間を大幅に削減することができます。

微生物製剤の開発を成功させるためには、農薬メーカーは望ましい性能が得られるまで配合を継続的に調整する必要があります。TURBISCAN を使用することで、これらの微調整が分散安定性に与える影響を評価するために必要な時間を大幅に削減することができます。

5. 農薬製剤の現地化

現地の気候、土壌化学、生態系、法規制の違いが農薬製剤の有効性に影響を与える可能性があるため、「現地化」は農薬業界において重要な概念です。

農薬製品を世界のさまざまな地域向けに最適化するには、安全性、有効性、そして規制要件への適合を確保するために、慎重な開発と試験が必要です。TURBISCANを使用すれば、さまざまな処方の分散安定性を迅速に評価できるため、地域特化型製品の開発を加速させることができます。

6. 植物エキスの活用

植物エキスをベースにしたボタニカル農薬は、合成化合物に比べて多くの利点があります。環境負荷が低いだけでなく、通常は非常に選択性が高く(例えば、特定の害虫にのみ効果を発揮し、有用昆虫や作物には影響を与えにくい)、環境中に残留しにくいという特性を持っています5

自然界には、まだ活用されていない膨大な生化学的資源が存在します。しかし、未知の化合物を単離し、配合に組み込む作業は容易ではありません。特に、それらがベース配合の分散安定性にどのような影響を与えるかを考慮する必要があります。分散安定性とコスト効率のバランスを取ることは、目視による分散安定性評価だけに頼る場合、非常に困難な作業となり得ます。TURBISCAN を使用すれば、植物由来配合の分散安定性評価を迅速に行うことができ、開発期間の短縮に貢献します。マイクロトラック(MICROTRAC) は、分散安定性評価装置TURBISCANをはじめとする材料特性評価のための革新的なソリューションを開発しています。

当社のシステムが農薬開発をどのように加速させるかについて詳しく知りたい方は、ぜひ今すぐお問い合わせください。

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最終的に、シンプルなふるい振とう機を使用するか、レーザー回折・散乱式測定装置や動的画像解析式装置に投資するかの選択は、試験の量、利用可能な予算や人員、そして準拠すべき国際規格や顧客要件によって決まります。

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